透明度
髪を切った。
前回切ったのは2カ月も前だってよ。
通りで、通りで頭が重いと思ったよ。
「思い切って切ってしまいましょう」
これは僕の台詞ではなく、台本を無視してアドリブを発揮した美容師さんの一言目である。
「今日はどうします?」
にどう答えるか朝から考えていた僕は面食らった。
そんなわけでバサバサとハサミは進み、結果的にとてもスムーズに幕開けを迎え、そして同じくとてもスムーズに幕は閉じた。
いつもの丸いフォルムに戻った。秋の風が首を冷やして寒いぜ。
また2か月ほどお世話にならなくて済むかもしれない。